こんにちは、赤井ひろ美です。
暖かい日が続いたと思ったら、急に寒くなったり、大雨が降ったり。季節の変わり目を味わう毎日ですね。
療養中だったころの私にとって、近所の散歩はリハビリを兼ねたお楽しみでした。高熱を出す前は、目的がないと出かけなかったのに、そのころは意味もなく歩き回れるのがうれしかったのです。
五感で、春をじっくり味わう
降りそそぐ日差し。頬や髪をなでていく風。肌に感じる空気、湿り気。雨の音、雨の匂い。大気の重さ、軽さ。吸い込む空気ひとつとっても、日陰と日なたで温度が違い、場所によって香りも味も違います。
ふだん何気なく歩いていると素通りしてしまう感覚を、ひとつひとつ、じっくり味わってみる。
人は、考えることと感じることを、同時にはできません。五感をフルに使って春を味わっているあいだは、うるさい思考を止めることができるのです。

さくらんぼの花が咲いていました。つぼみは濃いピンクなのに、開くと白いんですね。
「それをやって、どうなるの?」と思っていた
答えの出ない悩みをいつもぐるぐる考えて、思考疲れで消耗していた昔の私。「五感を使う練習をしなさい」と言われた最初のころは、「それをやってどうなるの?」と思っていました。
たしかに、感じているあいだは余計なことを考えない。でも、だから何? 感じるのをやめたら、またぐるぐる思考に戻ってしまう。
でも、続けていたら、だんだんわかってきたのです。
五感を使ってこの世界をしっかり味わっているあいだ、心にも全身の細胞にも、ふんわりと温かいものが満ちてくるようになりました。ぐるぐる思考は、いつの間にか静まるようになっていました。
おだやかで、満たされた時間。それがもう、しあわせということなのではないかと思いました。

出てきたばかりの新芽は、紫外線で傷まないようにポリフェノールで守っているから、先のほうだけ赤いのだそうです。
外に出られなくても、味わえる
頭の中でぐるぐる考え続けてしまう方は、春という季節を、全身で、全力で味わってみてください。
外に出るのが難しい方は、お風呂でお湯の肌ざわりや入浴剤の香りを楽しんだり、キャンドルや花びらを浮かべてみたり。お風呂も難しければ、お布団や枕、服やパジャマの肌ざわりを、あらためてじっくり感じてみるのもいいですね。(そこで「不快」と感じたら、もっと自分好みのものに替えましょう。)
家の中にお花を飾るのもおすすめです。わが家では、フリージアの鮮やかな黄色と、ふんわり甘い香りを楽しんでいました。

花瓶を洗って水を替えるときの手の冷たさ。茎を少し切るときのナイフの音。全集中で味わってみると、今まで気づかなかった世界があります。
「感じてみた。それで?」をスルーする
「感じてみたよ。それで?」という思考は、いったんスルーしてみてください。
感じて、味わって、自分の中をそれで満たしたら、その先を求めようとするのをやめる。「見返りがないなら意味がない」と考えてしまう思考は、押し殺さずに、そっと脇に置いておく。よくわからないけれど、それでOKとしてみる。
それをくり返した先に、きっと新しい世界が見えてきます。考えるだけで終わらせず、体を使ってこの世界を味わう。それが「体で生きる」ということだと、私は思っています。
